先日(8月12日)与党USDP党の党首シュエマン氏が突然解任されるニュースがありました。
USDP党とは連邦団結発展党(Union Solidarity and Development Party)の頭文字であり、現在国内で一番権力がある政党と言っても間違いありません。同党の党員は軍事政権の時、軍人だった人たちで結成されています。
シュエマン氏は元軍人で、党内で党首、国会では下院議長を務めるなど、党の重要人物でもあります。2015年11月に行われる総選挙で出馬される選挙区も決定されており、解任3日前くらいにその地域を訪れた写真もフェスブック上で流れていました。にもかかわらず、突然の解任にミャンマーだけのみならず、海外メディアも驚いた様子で報道をしています。
今回の解任に至った原因として、最大野党であるNLD(スーチー氏が率いる党)との関係が複雑であることが海外メディアで報じられていますが、ミャンマー国内では選挙に勝つため党内の構成を改正したと報じられています。
ミャンマー国内のソーシャルネットワーク(SNS)によりますと、今回の党首解任に元首相タンシュエ(軍事政権時)の圧力が裏であったと主張する人もいます。タンシュエ氏は2011年独裁政権から民間政府に移管された時に表舞台から消えた人物でもあります。だが、元軍人で構成されているUSDP党が今回の選挙で勝利することをタンシュエ氏が裏でコントロールしているとのうわさがあります。タンシュエ氏の狙いは、USDP党が勝利することによって、大統領任命や国会での軍人議員の割合などに有利があると考えているかもしれません。現在、タンシュエ氏は健康であり、ミャンマー政治にもとても興味を持っているとも言われています。
11月8日に行われる総選挙に向けて、国軍がUSDP党に元軍人143人の名簿を提出をしたようです。それら143人は軍を退役した元軍人であり、それらをUSDPの党員として出馬してもらう要求があったようです。しかし、シュエマン氏はその中から50名だけを候補者として採用したようです。それがシュエマン氏を党首から解任する大きな原因だったと言われています。
シュエマン氏は現在自宅軟禁されているとのうわさもありますが、シュエマン氏自身のフェスブックでは、国民の皆さんに心配しないようとデスクワークをしている様子の写真とメッセージが解任後から2回にわたってアップされました。党首を解任され、国会の下院議長も除名されていますが、シュエマン氏はUSDP党より予定されている選挙区で出馬をする予定だそうです。
また、シュエマン氏の次男トーナインマン氏が経営されている事業は政府の圧力により次々停止させられるとのうわさも流れています。現在、トーナインマン氏が持つCherry FMのラジオ放送局が政府に自らの意志で営業を中止したい旨政府に文献で提出するよう命じられているようです。しかし、トーナインマン氏は自身のフェスブックでCherry FMを停止することはないことと創立6年記念イベントを予定通り開催していくとメッセージを発信したようです。
やっと独裁政権から抜け出せたと思いきや、こんなことが裏にあったんですね。ミャンマーの未来はどうなるのでしょうか?民主主義への道は少し薄暗くなってきたように感じました。